【わかりやすく】法人向けデジタル通貨の仕組み・手数料

はじめに

SBI新生銀行が提供する法人向けデジタル通貨は、ブロックチェーン技術を活用して即時・低コストの国際送金を実現します。銀行口座内の法定通貨をデジタル通貨に変換する仕組みで、手数料も暗号資産に比べて安価。法人顧客の資金管理や送金効率を向上させ、透明性とセキュリティを確保した先進的な金融サービスです。

目次

ニュースまとめ

SBI新生銀行、法人向けデジタル通貨で国際送金を効率化

2025年9月12日、日経スクープによると、SBI新生銀行は2026年度にも法人顧客向けにデジタル通貨を発行する予定です。発行されたデジタル通貨は、米国のJPモルガン・チェースが主導する送金システムに接続され、即時・低コストの越境決済を可能にします。

世界的に、銀行によるデジタル通貨の発行は増加傾向にあり、海外の先進的な金融技術を取り入れることで、法人顧客へのサービス利便性向上が期待されています。また、IIJグループのディーカレットDCPも関連事業として関与しています。

SBI新生銀行のデジタル通貨の詳細

SBI新生銀行が発行予定のデジタル通貨は、主に法人顧客向けの決済手段として設計されています。従来の銀行間送金や海外送金では、手数料が高く、送金完了まで数日かかる場合がありますが、このデジタル通貨を利用することで、即時に送金が可能となり、コストも大幅に削減されます。

送金は、米JPモルガン・チェースが中心となって構築する国際的なブロックチェーンベースの決済ネットワークに接続されます。この仕組みにより、従来の銀行間決済の複雑なプロセスを簡略化し、越境決済のスピードと透明性を高めることができます。

さらに、このデジタル通貨は、銀行が直接発行する中央銀行型デジタル通貨（CBDC）とは異なり、銀行発行の民間デジタル通貨としての特徴を持ち、法人顧客の資金管理や国際取引の効率化に特化しています。また、国内外の先行事例を参考に、法規制やセキュリティ面にも配慮した設計が行われています。

SBI新生銀行デジタル通貨の仕組み

SBI新生銀行が提供する法人向けデジタル通貨は、ブロックチェーン技術を活用したデジタル資産で、従来の銀行振込やSWIFTなどの国際送金に比べ、迅速かつ低コストでの資金移動を可能にします。

1. 発行と管理

デジタル通貨はSBI新生銀行が中央発行者として管理します。銀行口座を通じて法人顧客にデジタル通貨を提供し、必要に応じてリアルタイムで残高の確認や送金履歴の確認が可能です。

2. 国際送金ネットワークとの連携

送金は、米JPモルガン・チェースが主導する国際送金システムに接続されます。このシステムは、ブロックチェーン技術を基盤とし、複数の銀行間で安全かつ瞬時にトランザクションを処理できます。

3. トランザクションの処理

法人顧客がデジタル通貨を送金すると、送金データはブロックチェーン上で暗号化され、ネットワーク内の複数ノードによって承認されます。承認が完了すると、送金先の口座に即時反映され、従来の銀行送金のように数日待つ必要がなくなります。

4. コスト削減と透明性

中間銀行や手数料の削減により、従来の国際送金に比べて低コストでの決済が可能です。また、ブロックチェーン上で全取引が記録されるため、トレーサビリティ（追跡可能性）や監査対応も容易になります。

5. セキュリティと規制対応

送金データは暗号化され、不正アクセスや改ざんのリスクを低減しています。また、日本および国際的な金融規制に準拠する設計で、AML（アンチマネーロンダリング）やKYC（顧客確認）の要件も満たすように構築されています。

SBI新生銀行デジタル通貨と暗号資産の関係

SBI新生銀行が発行予定の法人向けデジタル通貨は、イーサリアムやビットコインなど一般的な暗号資産とは直接的には連動しません。このデジタル通貨は、銀行が発行・管理する民間デジタル通貨であり、主に法人顧客の国際送金や決済効率化を目的としています。

ただし、送金システム自体はブロックチェーン技術を活用しており、仕組みとしては暗号資産で使われる技術（分散型台帳、暗号化、スマートコントラクトなど）を応用しています。言い換えれば、技術面では暗号資産に似た基盤を使うが、投機対象の暗号資産として取引されるわけではないという特徴があります。

つまり、このデジタル通貨は法定通貨に裏付けられたデジタルマネーとして機能し、イーサリアムのネットワーク上で発行されたERCトークンのような暗号資産とは区別されます。

デジタル通貨発行と利益の関係

デジタル通貨を銀行や企業が発行する場合、それは物理的な紙幣や硬貨の「造幣」と同じ意味で直接利益を生むわけではありません。法定通貨に裏付けられたデジタル通貨は、銀行口座内の電子マネーの延長のようなもので、発行そのものでは儲けが発生しません。

利益が発生するのは、主に以下のような部分です：

• デジタル通貨を活用した送金手数料や決済手数料の収入
• 法人顧客への金融サービス拡張による取引量増加
• 国際送金や資金管理の効率化によるコスト削減分の利益

つまり、デジタル通貨の発行自体で莫大な利益を得るわけではなく、それを使った金融サービスや取引の利便性向上を通じて間接的に収益を増やす仕組みとなっています。

銀行口座内のお金とデジタル通貨の関係

SBI新生銀行の法人向けデジタル通貨は、イメージとしては銀行口座内の法定通貨をデジタル通貨に変換するような形です。実際には、法定通貨の残高を担保にしてデジタル通貨が発行され、口座間での送金や決済に使用されます。

例えば、法人顧客が銀行口座に保有する日本円をデジタル通貨に変換すると、そのデジタル通貨はブロックチェーン技術を使って即時に送金可能になり、従来の銀行振込や国際送金よりもスピーディーで低コストになります。

重要なポイントは、デジタル通貨自体は法定通貨に裏付けられている電子マネー的な存在であり、投機対象の暗号資産とは異なるということです。

デジタル通貨の手数料と暗号資産との比較

SBI新生銀行の法人向けデジタル通貨の手数料は、一般的な暗号資産（ビットコインやイーサリアムなど）に比べて非常に低く設定される可能性が高いです。

理由は以下の通りです：

• 暗号資産はマイナー報酬やネットワーク混雑による手数料が変動するのに対し、銀行発行のデジタル通貨は中央管理型で固定コストが低い
• 送金や決済が銀行間ネットワーク内で完結するため、中間手数料がほぼ不要
• 法人顧客向けに設計されており、送金の利便性向上を目的とした低コスト運用が可能

つまり、暗号資産のネットワーク手数料に比べると、デジタル通貨は安定的かつ低コストで送金できる仕組みとなっています。

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